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2018年12月6日木曜日

いま技術同人誌を書く・入手する意味とは…

 技術同人誌 Advent Calendar 2018 6日目の記事です。

 うちのサークル 浜風もっこす は、技術系同人誌を書いたり、ゲームの攻略本を書いたりしながら、いつのまにか年末で11年が経過するようです。技術系同人誌は、元々コミケの「同人ソフト」か「評論・情報」あたりでひっそりと生きていましたが、Twitterの隆盛により、コミケにそういうものがあるという存在の認知がされるようになり、さらには技術書典の登場により一気に熱が上がりました。時代は変わった…

 技術系同人誌、ニッチ・アングラな技術もまだ健在ですが、全体的には広く使われるソフトウェアの技術を扱う本が増えてきました。それらは、「ここでしか手に入らない情報」ではなく「ネットで調べれば見つかるであろう情報」を扱う本になるわけです。これって価値があるんでしょうか?
 ひとつには、技術系同人誌が優れているというよりは、情報源としてのインターネットが理想とは遠い状態にあるがゆえに、技術情報の出力先・入力元としての同人誌の、相対的な価値が高くなっていると思います。

 インターネット上の情報は、昨今さまざまな分野で言われているように、知らないことについて調べるのが非常に困難です。検索エンジンは、正しい情報ではなく、検索エンジンの提示したルールに従った(SEO力の高い)Webサイトを表示しようとします。上位に提示される大量のゴミを選別しないと、正しい情報に辿り着けないために、「知っている人は調べられる、知らない人は調べられない」となります。学習系の有料サービスが育っていくかな、と期待していたら、先日とんでもない内容でSEO力の高いプログラミング講座が炎上していましたね。わからない人には判別つかない問題、根深いです。

 一方で技術系同人誌、今のところは、儲かるからやるというよりは、情報発信に意欲的な人たちが主に執筆していて、打率が高い状況にあります。商業書籍に比べると「執筆者にアクセスしやすい」「即売会で直接話すことで執筆者の力量を測りやすい」「商業で採算の取れない技術分野のものが多く存在する」などのアドバンテージもあります。
 未来永劫、技術系同人誌および即売会の重要度が高いとは思いません。とんでもない内容の技術系同人誌を掴む可能性は、もちろん常にあります。いずれは当たり外れを見分けることの重要性が増して、インターネット上の情報と同じような問題を抱えることになると思います。ただ2019年一杯くらいは、まあ打率高い状態がキープされるんじゃないかな、そうなって欲しいな、という気持ちです。

(おまけ)
うちの本、今書店に唯一出ているのが、Network Maniacs TCP受信 基本編 です。
 Network Maniacs TCP受信 基本編
紙の本は COMIC ZIN さんにあります。PDF版は BOOTH にあります。よろしくお願いします!
冬コミにも出展予定なので、年末お暇なかたはぜひ。

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