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2017年5月6日土曜日

Mastodonの強みは企業運営による独裁

鳴り物入りで流行が始まったMastodonもまず最初の落ち着き段階を迎え、各自使い方を模索する段階でしょうか。巨大インスタンスから個人インスタンスまでさまざまです。ここで、不特定多数の集うMastodonインスタンスのメリットを情報発信者視点で検討した場合、当初喧伝された「特定企業の支配からの脱却」とは真逆となっていることに気づいてしまいました。

虚構1-分散型? → 否、堅牢な企業運営の重要性


分散に関する課題は多々ありますが、ここで着目するのは「運用が継続することの重要性」です。作品を一番最初にアップロードしたサービスが潰れてしまうと、その画像のコピーライトを証明できないかもしれないのです。写真・絵・動画、そして文章も。

もしマイナーなインスタンスでアップロードしていて、そのインスタンスが潰れてしまったら…。それ以前に、インスタンス管理者は日付を含めてあらゆる変更が可能です。なにか不祥事があれば、運用が止まったわけではなくても、発表日時を証明できるプラットフォームとしては信頼性を失う事すらあるかもしれません。

虚構2-特定企業思想からの脱却? → 否、独裁の重要性


特定思想による独裁的ルールの建設は、Mastodonの強みです。例えば、熱烈な阪神タイガースファン専用インスタンスであれば、広島カープファンとして発言を続けるアカウントを凍結対象としてしまうこともできるでしょう。
Twitterを含め大半の「汎用」SNSでは、そんな事は普通は出来ません*1。Twitterは米国基準であるために、日本人絵師が凍結されることが大きな問題とされました。しかし逆に、転載botの類にろくに対処できない緩さ、申請時に提出すべき個人情報の多さも大きな問題でした。

Mastodonでは、明確な著作権侵害への前向きな対処が可能と思われるため、Twitterとの差別化ポイントとして大いに期待しています。他のインスタンスで悪いことをされたら直接対処は出来なくなりますが、対処をしているインスタンスのローカルTLからは排除できますし、悪いアカウントに対処しない外部インスタンスとの接続を切ることで、連合TLから排除するところまでは可能でしょう。
インスタンス間連携は、遠からずブラックリスト方式でのスパム対応が辛くなり、ホワイトリスト方式を取るインスタンスも増えるのではないかと思います。

最近、同人作家の間で「DLSiteに作品を登録した場合はちゃんと対応してくれるので有難い」という話をぽつぽつ見かけます。作品の保護は確実にクリエイターには響き、作品を発表する場としてクリエイターが集まる効果があるはず。(参考: DLSiteによる対処実績報告のTweet)


以上を踏まえ、Mastodonの強みは「ルールの合う独裁者のもとで暮らせること」、それにより「同族が群れる安心感」だと捉えています。後者は、同じ独裁者(=ローカルルール)を選んだことにより選別された集団であるため、前者の副次的効果です。


*1: 運営批判をするとBANされて反省文が必要なSNSもあったが

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